【火災保険】台風により建物が被害を受けたら・・・

◆台風10号が近づいています。この台風の影響で先週から各地で豪雨・雷雨が発生し、線状降水帯が発生していることで長時間の大雨被害も発生しています。台風の進行速度が遅いことで更に被害が大きくなる可能性もあります。

◆2018年の台風21号では「非常に強い勢力」で日本に上陸し、近畿地方を中心に甚大な被害をもたらしました。
この時は死者4名、重軽症者980名という人的被害と合わせて建物の損害が多数。関西国際空港への連絡橋にタンカーがぶつかって、撤去および復旧に時間がかかり一時的に空港に多くの方が取り残されたことを記憶されている方も多いと思います。

住宅の全壊68棟、半壊833棟、床上浸水244棟、床下浸水463棟。公共の建物は1,248棟の被害がありました。

◆2019年の台風19号では東海・関東・甲信越・東北の広範囲での記録的な大雨により甚大な被害をもたらしています。
死者100名を超える記録的な台風でした。千葉県内のゴルフ練習場の支柱がネットごと倒れて複数の住宅を押しつぶしたことは、記憶に新しいところでしょう。

建物の被害としては、住宅の全壊3,229棟、半壊28,107棟、床上浸水7,524棟、床下浸水21,549棟。公共の建物は272棟が被害を受けています。

◆今回の台風は2018年の台風と同じようなルートを通りそうだとの報道もあります。「非常に強い勢力」で西日本に接近し、29日には「強い勢力」で九州を直撃する可能性があります。
また、上陸後はゆっくりとした速度で西日本を縦断し、中国・四国・近畿・北陸と進むとみられていて、台風の予報円を見ると関東も直撃する可能性はあります。

◆台風被害の場合には火災保険の「風災・雹災・雪災」および「水災」の契約があれば保険金支払いの対象となります。
また、落雷被害については基本補償の「火災・落雷・破裂・爆発」で支払いの対象となります。飛んできた看板その他の物体による被害については「建物外部からの物体の落下・飛来・水濡れ・騒擾など」の補償で支払いの対象となります。(保険会社や、事案によって判断は変わる可能性があります)

ちなみに、最大瞬間風速60mとか言われてもあまりピンと来ないかもしれませんが、これは秒速60mを表しており時速に換算すると216km(60m/s×3600秒)となります。こんな速度で風が吹けばトラックも容易に吹き飛ばされてしまいます。

◆被害が生じた場合には支払いの対象となるかならないかわからなくても良いので、契約している代理店や保険会社に問い合わせることが必要です。

その際、可能であれば損害が生じたモノ(家屋・家財など)の写真を残しておくと良いでしょう。もちろん、災害が収まるまでは危険なので、災害が収まってからの撮影でお願いします。