【お役立ち情報】保険料はなぜ上がる?
◆自動車保険・火災保険・傷害保険・賠償責任保険など毎年のように値上がりしていませんか?
契約者としては保険料は安く、補償は大きく、安心も大きく、前年より安く・・・といった要望をお持ちだと思います。自動車保険は事故がなければ翌年の割引等級が進行して保険料が前年より下がっていくと、ほとんどの方が思っているはず。
では、なぜ保険は値上がりしているのでしょうか? 主な保険である「自動車保険」と「火災保険」で見ていきます。
◆自動車保険の値上がりの要因
いくつか要因はありますが、一つめは「事故率・交通量の回復」コロナ禍明けから交通量増加に伴い、事故の発生件数と保険金支払額が増加傾向にあることです。二つめは「コスト高」、先進運転支援システム(ADAS)等の普及で、1事故当たりの修理費(センサーや部品代)が高騰していることです。三つめは「コスト高」に近いのですが、「物価の上昇」と「作業費用の上昇」が挙げられます。
また、直接的に自動車の運行に関わるものではありませんが、自然災害の激甚化により「水没」「土砂崩れ」「大雪による倒壊」などの被害が増えてきていることも保険金支払額が増えていることにつながります。数年前に広範囲の「雹(ひょう)」による車両損害が生じたことも記憶に新しいところです。
保険は契約者からお預かりする「保険料」と、修理代や賠償などで支払う「保険金」との収支バランスがとれるように保険会社が「保険料率(基本保険料)」を設定します。「保険金」の支払いが増えてしまうと「保険料」を多く頂戴しなければ不均衡が生じてしまいます。このため、保険会社が「保険の改定」として保険料の見直し(保険料の値上げ)を行うこととなります。
割引等級が進行しているのに保険料が上がってしまうというのは、バランスを見直すために保険料の見直しがあり、この値上がり幅が等級進行による割引の幅を超えてしまうことで生じます。
◆火災保険の値上がりの要因
火災保険についても要因はいくつかあります。大きな要因としては「自然災害の激甚化」と「物価高騰に伴う修理費の上昇」が挙げられます。
台風や集中豪雨、雹による災害、大雪災害などの自然災害による被害が増えていることは多くの方が認識していることと思います。数十年に1回程度の規模の自然災害が発生し、しかも広範囲にわたり損害が生じています。
火災保険は「火災」だけでなく「水災」「風災」「雹災」「雪災」による損害も補償していますので、自然災害が広域で発生すれば保険金支払額が大きな額になります。
現在、従来の「保険料」と「保険金」のバランスが近年大きく崩れてきています。一昔前までは火災保険は30年とか10年とか長期で契約することができましたが、最近は最長5年がほとんどとなりました。この先数年のうちに最長で契約できる保険期間が1年に限定されることも予想されます。これは長期的な自然災害による損害額の予測が難しく、5年以上の長期の保険期間となると予測から大きく外れてしまうおそれがあるためです。
◆そもそもの保険の意味合い
保険は多くの契約者から保険料を集め、契約者の集団の中の1人が損害を被ったら集めた保険料から損害額を補填するという相互扶助の精神に基づくものです。1人の損害額は全員の損害額として、全員が自身の支払った保険料を上限として負担しあうということなのです。
「自分は事故をおこしていないのに・・・」「契約依頼20年以上火災にあっていないのに・・・」といった不公平感を持つ方もいらっしゃると思いますが、自分が損害を被ったときには契約内容に則して補償してもらえる公平なシステムです。
保険会社もコスト削減やより正確な損害率の予測などに努めており、必要以上に契約者への負担が大きくならないように工夫をしております。併せて、代理店の手数料も一部削減し契約者の保険料負担を軽減するようになっております。
「一人は万人のために、万人は一人のために」(One for all , All for one)という「相互扶助」のシステムであることを多くの方にご理解いただけると幸いです。
(文責:白井利典)
