自動車保険 豆知識(15)~自転車の補償は付けられる?

◆埼玉県は自転車の保険は義務化されています

埼玉県、千葉県、東京都などは条例により自転車の保険を契約することを義務化しています。具体的には自転車事故による「対人賠償」「対物賠償」を保険で手配する必要があるということです。

ただし、義務違反があったとしても今のところは罰則はありませんが。

この条例をもとに、多くの学校や職場などでは自転車の保険をつけているか確認のために書類の提出を求めるところがほとんどです。事故の場合に加害者が被害者に十分な補償ができない場合には、自転車での通学や通勤を許可していたり黙認していた学校や職場が責任を負わなければならないこともあるからです。

 

◆自転車の保険はどのような補償?

1)相手に対する補償(自動車でいう「対人賠償・対物賠償」)

2)自分自身のケガに対する補償(自動車でいう人身傷害・搭乗者傷害など)

3)自転車の損害に対する補償(自動車でいう車両保険)

 

自動車保険では1)と2)の補償を特約で付帯できます。

1)をカバーする特約は「個人賠償責任保険特約」

 同居のご家族全員が補償されていて、自転車に限らず日常生活において第三者を死傷させてしまったり第三者のモノを壊してしまった場合に、対人賠償・対物賠償ともに無制限で補償します。

2)をカバーする特約は「人身傷害交通乗用具事故特約」

 同居のご家族全員が補償されていて、自転車をはじめとした交通乗用具による事故で死傷した場合に契約した保険金額を限度に治療費や休業損害等が補償されます。

交通乗用具とは、「自動車」「自転車」「車いす」「ベビーカー」「電車」「バス」「エレベーター」「エスカレーター」「動く歩道」「電動キックボード」「航空機」「船舶」などを指します。例えば、自転車での加害事故の場合に自分自身がケガを負った場合や、電車が急ブレーキをかけたことで車内で転倒しケガを負った場合にも補償されます。

 

◆条例で義務化されている補償はどれ?

埼玉県をはじめとした各都道府県条例で義務とされているのは1)の補償。自動車保険の特約では年間2,000円程度でご家族全員(極端に言えば10人家族であれば10人とも)が補償されます。

自動車保険の特約であれば、事故相手との示談交渉も保険会社に任せられます。(示談サービス付き)

示談サービスがない契約の場合には相手方との交渉は自分自身でしなければならず、賠償額が確定したらその金額を保険会社が支払うこととなりますので、手間も時間もかかります。このため示談サービスが付いた補償を付帯することが重要です。

通学や通勤で自転車を使っている場合、学校や職場への証明の提出も自動車保険の証券コピーを提出すれば大丈夫です。

(文責:白井利典)