バッテリー上がりにご注意を

◆JAFの出動理由ナンバーワンはバッテリー上がり
JAFの公式サイトによると、一般道路と高速道路での四輪・二輪合計の出動理由TOP3は、1位が「バッテリー上がり」、2位が「タイヤのパンク」、3位が「落輪・落込」となっています。
これら3つが全体の約67%を占めており、特にバッテリー上がり(過放電バッテリー)は出動理由のうち42%を占めています。(2024年4月~2025年3月累計)

バッテリー上がりにつながるものとして、ライトの消し忘れ等のドライバーのうっかりミス、メンテナンス不足などの人的要因が多い傾向になっています。

◆バッテリー上がりの主な理由は?
発生要因のひとつは、
 ・短距離走行を繰り返すドライバー
 ・月に数回しか車を使わないユーザー
に見られる「使用頻度の低さ」である。こうした使い方は、バッテリーへの負荷を高め、トラブルを招きやすくします。
また、寒冷地では低温によってバッテリー性能が低下するため、冬季にリスクが高まる点も広く認識されています。

中には「普段そんなに使っていないからバッテリーも消耗しているはずがない!」と勘違いされる方もいらっしゃいますが、エンジンをかけていなくても「盗難防止装置」「カーナビ」「ドライブレコーダー」「時計」など微量の電流は常時流れています。走行することによりバッテリーへの充電が行われるので、走行しなければ充電されずに消耗が進むということになります。


◆夏場はバッテリー上がりのリスクが低いのか?
夏場でもバッテリー上がりのリスクは低いとは言えません。エアコンを使うことでバッテリーを酷使していることも要因です。

アイドリングストップ機能の付いたお車、特にアイドリングストップ機能の付いた軽自動車は要注意と言えるでしょう。
アイドリングストップ機能は、停車時にエンジンを自動で停止させることで燃費を向上させる機能ですが、バッテリーの消耗を早める可能性があります。アイドリングストップ中はバッテリーから電力が供給されるため、頻繁なエンジン始動と停止を繰り返すことで、バッテリーへの負荷が増加し、バッテリー上がりを起こしやすくなります。

軽自動車はスペースの関係上、どうしても大容量のバッテリーを積めずに普通車よりも小さいバッテリーであることが多いのです。


最近ではアイドリングストップ機能が燃費に与えるプラスの作用よりも、バッテリーの消耗により交換する際の費用などの経済面や思わぬタイミングでのエンジンOFFの危険性などから、アイドリングストップ機能は消えつつあります。


◆バッテリー上がりとなったら?
1)JAFを呼んで対応してもらう
  JAFの会員であれば無料で対応してもらえますが、到着まで40分から60分程度待つ必要があります。
  JAFの非会員の場合は2万円を超える費用がかかります。

2)ブースターケーブルを他車につないで始動する
  昔から使われている方法で、赤と黒のコネクターが付いたブースターケーブルを他車のバッテリーにつないで電源供給を得て始動する方法があります。
  ブースターケーブルはカー用品店やネット通販で2,000~3,000円程度で販売されています。

3)ジャンプスターターをつないで始動する
  最近広く使われている方法です。JAFもジャンプスターターをつないで始動します。ブースターケーブルを使う方法と異なり、単独でバッテリー上がりに対応できる点が特長です。周囲に車がいない状況でも、ユーザー自身の手でエンジンを始動できます。
その利便性の高さから、短距離利用が中心のドライバーや、車の使用頻度が低いユーザー、寒冷地での運転者を中心に常備が広がっています。

  ジャンプスターターは5,000円前後~2万円程度で販売されています。

4)MT車(マニュアル・トランスミッション車)であれば押しがけも
  シフトを2速に入れてクラッチを踏み(クラッチを切り)車を第三者に押してもらい、ある程度の速度がついた段階でクラッチを急につなぎ、むりやりエンジンを始動する方法があります。昔はよく見かけました。
  現在はAT(オートマチック・トランスミッション)がほとんどなので、全く知らない方も多いのでは?

(文責:白井利典)