自動車保険 豆知識(13)~弁護士費用特約は必要?

◆想像してみましょう

 あなたが赤信号で信号待ちして止まっているところを追突された場合、自分の契約している保険会社に相手との交渉を任せたいと思いますよね?

 また、自動車保険を契約しているから、当然ながら保険会社が交渉すると思いますよね?

 

◆しかし・・・

実は、このケースでは事故報告をしても保険会社は相手との交渉をしてくれません。

正しくは「交渉ができない」のです。

 

 このケースは 0:100 つまり相手が100%過失の事故となります。こちら側には過失がないので、対人賠償や対物賠償で相手方に支払わなければならないものがありません。(過失割合を表示する際には「自分」:「相手」の順で表します)

 

 通常、金銭賠償を伴う示談交渉については弁護士法の定めにより弁護士以外は行ってはいけない(非弁行為にあたる)のですが、こちら側にも多少なりとも過失があり対人賠償や対物賠償で相手に支払うものがある場合には、保険会社が契約者になりかわって示談交渉ができます。(過去に保険会社と日弁連との間で、示談代行の合法性を確認した経緯があります)

 

 従って、相手が100%過失の事故では自分が契約している保険会社に頼れない・・・

 

◆そこで「弁護士費用特約」が付帯されていれば

「保険会社」⇒⇒⇒ 交渉不可 ⇒⇒⇒「相手」

 の状況を

「保険会社」⇒⇒⇒ 『弁護士』 ⇒⇒⇒「相手」

 とすることができ、保険会社の紹介する弁護士(ご自身で選定してもOK)に示談交渉が任せられます。

 

 もちろん、こちらに過失が生じる事故であっても

・相手が屁理屈を言ってなかなか示談交渉が進まない

・相手が反社会的組織に属しており自動車保険契約が無い(保険会社は引受けないから)

・相手が無保険で開き直ってしまい話にならない

・相手が話し合いに応じない

・双方の保険会社が提示した過失割合に納得ができない

などのケースで弁護士費用特約を使うことができます。

 

 ちなみに、無保険の方は全国平均で約12.5%、つまり約8台に1台が無保険!

更に悲しいことに、埼玉県は約7台に1台が無保険なのです。

 

事故は相手を選べないので、弁護士費用特約は必須ではないでしょうか?

(文責:白井利典)