火災保険 豆知識(8)~賃貸の契約時に火災保険の契約が必要って言われたけど・・・

◆賃貸のマンションやアパートなどの契約の際に火災保険契約を求められますよね

入学、入社、転勤など春の異動の季節が近づいてまいりました。賃貸のマンションやアパートに入居する方も多いことと思いますが、その際に火災保険契約が必要となります。

この場合の火災保険の対象物は、賃借人(借主)の「家財」となります。中には自分の家財は必要最低限のものしかないから火災保険はいらないのに・・・とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、賃貸契約の際に求められる火災保険は、大家さんや不動産屋さんが借主のために親切心で言っているのではないのです。重要なのは火災保険契約に特約として付帯する「借家人賠償責任特約」なのです。

借家人(賃借人・借主)の過失で失火してしまったり、居室内を壊してしまったり、アパートの外壁を壊してしまったり、といった場合に借家人(賃借人・借主)が大家さん(建物の持ち主)に対して賠償するための補償です。

つまり、大家さんや不動産屋さんは、万が一の事故の際に建物(資産)を守り確実に修復が行われるよう、借主に対してこの保険への加入を求めています。「借家人賠償責任保険」は特約なのでこの補償だけ単独で契約することはできません。このため主契約として火災保険を契約する必要があります。

 

◆失火責任法で賠償不要なのでは?

以前当コラムでご紹介した「失火責任法」を覚えている方は疑問に思うかもしれません。しかし、失火責任法により近隣の建物等の類焼損害に対する賠償は免れますが、借家人(賃借人・借主)として入居している建物の所有者である大家さんや不動産屋さんに対しては「賃貸借契約上の原状回復義務」があるため、法的責任を免れることはできません。

建物の焼損により修繕や改築などの必要が生じたり、修理・清掃の期間を含め賃借人を入れることができないことで大家さんや不動産屋さんには多大な損害が生じますので、借家人(賃借人・借主)の責任として賠償資力を裏付けるものが必要となります。これが「借家人賠償責任特約」です。

 

◆賃貸契約の際にその場で申込まなければならないのか?

中には、賃貸契約時にその場で火災保険も契約しなくてはならないように言ってくる不動産屋さんもいると聞きますが、強制力はなく自分自身でネットや近くの代理店などで契約することも可能です。ただし、入居までには契約を済ませて保険証券の写しを大家さんや不動産屋さんに提出を求められる場合があります。ある程度物件の目途がついたら火災保険の契約も検討しましょう。お見積りだけでも大丈夫です。

(文責:白井利典)