火災保険 豆知識(5)~地震保険は必要なの?
◆地震を原因とする損害は「地震保険」で補償
地震・噴火・津波を原因とする損害は「地震保険」のみで補償され、「火災保険」からは支払われません。
一般的に「火災保険」「自動車保険」「傷害保険」「賠償責任保険」などの損害保険は「地震・噴火・津波」による損害は免責(つまり対象外)となっております。特約などで補償する保険もありますが。
日本は地震大国で、頻繁に地震被害に見舞われます。このため法律(「地震保険に関する法律」)に基づいて、政府と民間の損害保険会社が共同で運営している制度です。どの保険会社でも地震保険の保険料は同一です。
地震保険は、地震災害による被災者の生活の安定に寄与することを目的としています。必要最低限の生活再建費用を補償することが目的なのです。つまり、火災保険のように建物や家財の価値を守るものとは考え方が異なっているため、火災保険の保険金額よりも低い設定となっています。
◆地震のときにお隣からもらい火
地震保険は「地震・噴火・津波」を原因とした損害に対して支払われ、火災保険は「地震・噴火・津波」を原因とした損害は対象外となります。このため、地震が発生~ストーブが転倒~火事になった、という場合には火事であっても原因が「地震」なので、地震保険を契約していなければ補償されません。
また、地震が発生~お隣の家でストーブが転倒~お隣からのもらい火で火事になった、といった場合でも元々の原因が「地震」となりますので地震保険を契約していなければ補償されません。
2004年7月に発生した「平成16年7月新潟・福島豪雨」の際に大雨により河川が決壊し洪水による建物損害が発生しましたが、この損害に対しては火災保険の「水災」補償で保険金が支払われました。しかし、同じ新潟県内において2004年10月に発生した「平成16年新潟県中越地震」において地震により河川の堤防が崩れ決壊し洪水による建物損害が発生しましたが、この損害はおおもとの原因が「地震」となるため「地震保険」だけが支払いの対象となりました。
◆地震保険契約時の条件は?
地震保険は火災保険の「保険金額」の30%~50%の金額で契約します。例えば、建物に3,000万円の火災保険を契約するなら地震保険は900万円~1,500万円で設定することとなります。近年では50%を超えて100%まで補償する火災保険も出てきていますが、地震保険では最大50%までの補償でそれ以上の部分については特約での補償となります。
◆居住地域や建物構造によって保険料が変わる
地震保険は法律(地震保険に関する法律)に基づいて政府と民間の損害保険会社が共同で運営している制度です。地震災害による被災者の生活の安定に寄与することを目的としているので、火災保険のように損害額の全てを補償するのではなく当面の生活を再建するための費用を補償する、という考え方に基づいています。
火災保険とセットでご契約いただく保険で、地震保険のみを単独で契約することはできません。
保険料は各社共通ですが、住んでる地域(都道府県)によって保険料が異なります。最も高いのは「千葉県」「東京都」「神奈川県」「静岡県」、埼玉県はそれに次いで保険料が高くなっています。
また、耐火構造の建物の場合は非耐火構造の建物よりも保険料が安く設定されています。
建築年や耐震等級などによる地震保険の割引が適用できますので、代理店にご相談のうえで無駄なくご契約できるようにご検討ください。
(文責:白井利典)
