自動車保険 豆知識(18)~「他車運転特約」とは?(借りた車で事故!)
◆一時的に借りていた友人の車で事故! 保険は使える?
友人の車でちょっとお出かけ。信号のない交差点で出合い頭に事故をおこしてしまった!
事故が起きるまで保険については考えなかったが、保険は使えるのか?事故の相手や友人にはどのように伝えれば良いか? たしか、自動車保険って運転者の範囲や年齢条件があるから、保険は使えないのかな?
◆借りた車の事故 2パターンの保険適用方法
①車の所有者の友人の自動車保険を事前に「運転者限定なし」に変更してもらい、事故が起きたらその「友人の保険」を使う。
友人の保険を変更することで友人の保険料が上がってしまう。更に、事故の支払いに対し友人の保険を使うこととなるため、翌年以降の友人の保険の割引等級が下がり保険料が上がる。このためお勧めできません。もちろん、心優しく経済的に余裕のあるご友人であれば快く応じてくれるかもしれませんが、非常に稀でしょう。
②自分自身の自動車保険の「他車運転特約」を使う。
友人の保険を使わないため、友人の保険の割引等級に影響なし。自分自身の保険の割引等級が下がる。
多くの場合は②を使うこととなりますが、車両の損害に対しては自分自身の自動車保険に車両保険が付帯されていないなど借用中の自動車の損害を補償するものがなければ、自腹で支払うか車の所有者であるご友人の車両保険で補償してもらう必要があります。ご友人も車両保険を付帯していなければ、やはり自腹を切って支払うようになりますね。
◆「他車運転特約」の補償は? 車両の修理も対象になるの?
損保ジャパンの自動車保険では・・・
借用中の自動車(自家用8車種にかぎります。以下同様とします。)を運転中*の事故について、借用中の自動車をご契約の自動車と見なして、ご契約の自動車保険契約内容に従い、所定の保険金をお支払する特約です。 (*駐車または停車中を除きます。)
1.「借用中の自動車」には、記名被保険者、その配偶者またはこれらの方の同居のご親族が所有または主に使用する自動車は含まれません。
2.車両事故が補償の対象となる場合は、借用中の自動車の時価額を限度に保険金をお支払いします。
3.借用中の自動車の保険に優先してお支払いすることができます。
自家用8車種とは「自家用普通乗用車」「自家用小型乗用車」「自家用軽四輪乗用車」「自家用小型貨物」「自家用軽四輪貨物車」「自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)、自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)、または特殊用途自動車(キャンピング車)のいずれか。
つまり、自分自身の自動車保険で「対人・対物賠償」「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」「車両保険」など付帯されている内容で補償されます。ただし、車両保険は自分自身の契約の車両保険金額にかかわらず借用中の自動車の時価額(市場販売価格相当額)が限度となります。
注意しなければならないのは、ロードサービスについては「契約車両」に対する補償なので借用中の自動車でロードサービスを使うことはできません。この場合、JAFその他ロードサービスを別途ご契約されている方は該当するサービス業者に依頼するか、借用中の自動車の所有者(ご友人)の保険のロードサービスを使わせていただく必要があります。
◆必要に迫られて止むを得ない場合以外は友人や知人から自動車を借りない!
基本的に自動車を借りるのであればレンタカーを使うのが最も手軽で最も安心で、万一の事故の場合においては最も手間がかからず無駄な出費とならずに済むと考えます。
「友人や知人から自動車を借りる」+「他車運転特約」は最後の最後の手段と考えた方が良いかもしれません。
(文責:白井利典)