自動車保険豆知識(14)~新車特約(車両新価特約)はお得な特約
◆新車特約(車両新価特約)ってご存知ですか?
簡単に言うと、新車価格の半分以上の修理費用がかかる場合には、修理費用ではなく新車価格を丸々お支払いし気持ちよく買い替えができる特約です。
具体的には
150万円の軽自動車をご購入、車両新価特約を付帯。
事故で修理代の見積りが80万円となり、保険会社もその金額で認定。
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車両新価特約金額150万円の半分(75万円)以上の修理費用となるので、車両新価特約金額の150万円が支払対象。(厳密には150万円が上限で買い替え費用を支払います)
お車の金額は毎年下がっていきますが、2年目でも3年目でも条件は同じです。上記の例であれば3年目で100万円の車両保険金額であっても、75万円以上の修理費用となれば150万円が支払対象。
◆そんなに大きな事故はそうそうないよ!?
ご存知の通り、自動車の「人」が乗る部分はしっかりと頑丈に作られていますが、前(ボンネット)と後(トランク)は「人」が乗る部分に伝わる衝撃を吸収するためにクシャっと壊れやすくなっています。
このためボンネット部分に損害がある事故の場合には70~80万円の修理見積もりが出るケースが多くあります。ボンネットの中には「エンジン」「ラジエーター」「エアコン(のコンプレッサー)」などの重要な機械が入っていますし、車両のあちこちに各種センサーなども設置されています。また、車体の骨格部分であるフレームに損害がある場合にはフレーム修正などで修理費用が上がります。
また、数年前に埼玉県内東部で発生した雹害の場合には軽自動車で50~60万円の修理代がかかり、普通車では100万円を超える修理代となったケースもありました。
保険会社が損害額を認定すれば実際に修理しなくても損害額相当の保険金が支払われます。認定された損害額(修理費用)が新車金額の半額以上の金額の場合には車両新価特約での支払いとなります。
◆集中豪雨で水没した場合は?
また、自然災害で水没(洪水や高潮、土砂崩れ)の場合でエンジンまで損害があるケースでは軽く半分以上の損害額となるため、車両新価特約の補償が有効です。水没の場合にはきれいな水に浸かってしまうわけではなく下水や汚水も混ざった水に浸かるので、修理完了後に臭いに悩まされることが多いと聞きます。
また、電気系統に不安を感じるケースも多いそうです。
このような事情があり、水没の場合には買い替えを検討する方がほとんどであり、車両新価特約を付帯していれば買い替えもスムーズです。
◆車両が盗難された時も?
ただし、車両盗難による損害は補償の対象外となっておりますのでご注意を。車両保険そのものは対象となりますが、車両新価特約は対象外です。
余談ではありますが、コンビニの駐車場でエンジンをかけたまま店内に入って車両盗難被害にあった場合、盗まれて損害を受けた上に道路交通法違反で処罰を受ける可能性があります。(エンジンをかけたまま車両から離れることは道路交通法第71条に違反する行為)
車両新価特約は、基本的に初度登録年月から61ヶ月以内に保険満期を迎える契約で車両保険付の契約には付帯できます。目安として新車で購入したお車は5年目まで車両新価特約が付帯できます。
(文責:白井利典)