【生命保険】認知症と介護...その保険
◆認知症は身近なリスクです
令和4年国民生活基礎調査によると、要介護者等の性別・年齢階層別は、男性が「85~89歳」の23.7%、女性が「90歳以上」の30.9%がボリュームゾーンとなっています。
介護が必要となった主な原因について、「要介護者」では「認知症」が23.6%で最も多く、次いで「脳血管疾患(脳卒中)」が19.0%、次に「骨折・転倒」が13.0%となっています。
◆認知症の約7割がアルツハイマー型認知症で約2割が脳血管性認知症と言われています。早期発見や治療により進行を抑えたり症状の緩和が見込めるため、気になることがあったら医療機関の受診などを検討しましょう。
アルツハイマー型認知症の薬には症状を改善する効果や進行を遅らせる効果などがありますが、根本的に治す効果はありません。ただ、薬の使用は患者や家族に「治療を受けている」という安心感をもたらす効果も期待できます。
◆介護する側の「主な介護者」を見ると、同居の配偶者が22.9%、同居の子が16.2%、同居の子の配偶者が5.4%と同居の親族が介護をしているケースが多く見受けられます。
また、要介護者等と同居の主な介護者の関係を見ると、60歳以上同士の割合が77.1%、65歳以上同士は63.5%、75歳以上同士でも35.7%となっており、いわゆる「老老介護」状態が浮き彫りになっています。その中には認知症の方が認知症の身内を介護する「認認介護」も多くあります。
これらの割合は年々上昇傾向となっています。
◆そこで、十分な介護を受けるためにも介護事業者を上手に利用することが求められますが、そのためには費用が多くかかることが懸念されます。
ただ、介護事業者を利用することで「介護をされる側」も「介護をする側」も安心して生活を送ることができるはずです。
長期に亘る介護は心身ともに疲れてしまい、要介護者等との関係も悪化しかねません。
◆公的な介護保険は介護サービスの現物支給が基本で、利用した介護サービスにかかった費用の一部を保障するものです。介護者の自己負担となる金額も1割負担や2割負担とはいえ「老老介護」「認認介護」の実態を考えると大きな支出と考えられます。
多くの生命保険会社で「介護」や「認知症」に対する保険が用意されていますので、自らが「介護する側」となって大変な思いをする前に保険で準備することも一つの重要な選択です。